入院よもやま話

ペダルバル

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入院よもやま話

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2023/04/15 入院よもやま話

 

その一

 

最初の入院のとき、担当の看護師さんが挨拶に来た。

 

「小林さん、今日の担当の○○です」

 

その人は物腰も柔らかく、初めての入院で緊張していた僕の心は大いに安らいだ。

 

 

「ん…?」

 

看護師さんが、机に置かれたパソコンとケータイをみて何かに気づいた。

 

 

「バーをやっているって、ペダルバルですか?わたし、二回くらい行ったことあるんですよ」

 

ええええぇえええ。

 

まったく気づかなかった。

 

 

「あの階段から落ちたってことですか?あぁ、あの階段は…」

 

 

 

 

 

 

恥ずかしい!!

 

 

 

 

 

ちなみに、いま入院している病院の看護師さんも南郷7丁目に住んでいるとのこと。

 

「今度行くわね」

 

3杯くらいサービスで出しますわ!

 

 

 

 

 

その二

転院した先で手術でした。

執刀医は、札幌における骨折治療の権威らしい。

 

 

手術室に入り、麻酔をかけておやすみなさい…

 

 

…おはよ……痛い痛いイタイイタイイタイイタイ!!!

 

この世の痛みのすべてが僕の肘に集まったかのような痛みに襲われました。

 

 

手術後の方が痛いって聞いてないよ!!!

 

 

この痛みは夜中続き、僕は薬漬けになったのでした。

死ぬかと思った。

 

 

 

 

 

その三

 

手術から一夜明けると、もうリハビリが始まりました。

 

それとともに毎朝の術後経過を看護師さんに報告します。

 

「昨日の夜に比べると、まぁ痛みは引きました。痛いですが」

 

僕がそういうと

 

「あれだけの手術だからね、大丈夫、昨日より痛くなることはないから。術後のレントゲン見たけど、すっごいよ。だからね、もう大丈夫」

 

 

 

リハビリに行きました。

 

理学療法士さんは言います。

「痛いですよね。ゆっくりやっていきます。

ここ、先生がアレなので、小林さんもそうですけど、結構ひどい患者さんが多いんですよ。僕もいろんなレントゲン見てきましけど、小林さんのはすごいですね。初めて見るくらいの手術痕です。いままでで一位です」

 

「それ、手術ってより工事じゃないですか」

 

「ふふふ。よく耐えましたね」

 

 

 

 

どうなってんだオレの肘!

 

 

 

 

 

 

その四

 

前の病院にて、手術室で麻酔されるも結果的に手術ができなかった時の話。

 

「小林さん、後でまた説明しますが、手術できていません。新しい骨折が見つかって、今回の用意では対応できませんでした。奥さんに電話で連絡をとり、手術の中止への同意もいただきました」

 

 

先生からの言葉に心が折れる僕。このとき麻酔明けから3分。

 

ずっと手術を目標にしていたので、すべての根気が失われました。

 

 

「妻に会いたい」

 

手術室から病室に移動する際に僕が発した言葉です。

 

「妻に会いたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、奥さん、仕事中ですよ」

 

 

と先生。

 

 

 

 

 

 

 

 

わかっとるわ!!!!!!!!!

 

先生に対して唯一イラついた瞬間でした。

 

 

 

 

 

その五

 

手術当日は、朝ごはん以降の食物の接種禁止でした。

 

前の病院もですが、ここの病院もご飯が美味しい。

聞いたら、配食サービスではなく地下階で作っているそうな。

 

 

手術の日、昼ご飯はタンタンメンと餃子だったのです。

 

食べたかった。

 

 

手術に備えての点滴を受けているとき、タンタンメン食べたかったなぁと看護師さんへ言いました。

 

 

「あぁ、タンタンメンね!うち、木曜日が麺の日なのよ。そしてね、おいしかった!」

 

 

いやぁー!食べたかったー!

 

そうです、この時の小林君はこの数時間後に激痛でご飯どころの騒ぎじゃなくなることをまだ知らない。

 

 

内科系ではないので、整形外科はせめてご飯はおいしくという病院が多いようです。

おかげで2キロ太りました。やばい。

 

 

 

 

 

その六

 

今日(手術から2日目)の話。

左ひじの患部には血抜きの管と袋がつけられていました。

自然に出血するものを受け止めるものらしい。

 

 

怖い!僕、そういうのダメなんですよね。

 

それをとうとう取るとなりまして、準備をした看護師さん4名ほどがキャッキャしながら僕のベッドを訪れました。

 

実際の作業は先生が行うのですが、それまでの準備は看護師さんの仕事です。

 

包帯をめくり、患部を確認します。

 

僕は顔をそっぽ向けていました。

 

 

 

看護師A「あら!きれい!血がはみ出してないわ!」

 

看護師B「え、すごーい!汚れていないね!」

 

看護師C「こんなこともなかなか珍しいのよ!」

 

看護師D「写真撮るかい?ほら、小林さん、こんなきれいなのも珍しいから写真撮るなら撮っちゃるよ」

 

 

いやいやいや、元気だな。

 

苦手だって言ってんだろ!!!

 

 

看護師ADが一度いなくなったときに看護師Eが言いました。

 

「すごいしょ、外科のナースって。パワフルなんだよね」

 

 

 

 

たくましすぎるぜ!!!

 

 

 

 

 

 

ちなみに管を抜く痛みを怖がる僕にかけられた言葉は

「大丈夫、あの手術乗り越えてるから!」

 

 

 

 

そんなすごい手術なのか!

 

 

 

 

その七

 

入院中は暇になるからとネットフリックスで映画を何作か落としてきました。

 

いざ暇になってみてみようとすると、

その中の2つがスプラッタホラー。

 

 

いや、オレの肘がスプラッタだよ…

 

 

見る気がしないよ。

 

 

 

 

テキサスチェーンソーはやめましょう。

 

 

 

以上でした。

 

 

 

リハビリが続きますが、なにせ打ったビスの本数がすごいらしいので、気合い入れたトレーニングはできないそうです。

 

ぼく、気合い入れてなにかに取り組むのは得意なタイプなのですが、気合いを入れすぎるなといわれると難しい。

 

まぁのんびりやっていきます。

 

 

 

 

 

 

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