090-1642-6920
〒003-0024 北海道札幌市白石区本郷通8丁目南2-8 2階
営業時間 / 19:00~26:00 定休日 / 日曜・月曜
カウンターの中でも
緊急事態宣言が石狩管内だけ延長されてすこし経った。
最近は何もすることがなくても店にいることが多い。
何もすることがない、といってもずっとサボっていた仕込みや掃除をしたりする。
全力でやってしまうと明日にすることがなくなるので、1日1作業くらいしかしない。
自然、暇になるので、ぼんやりとカウンターの中の椅子に座っていることが多い。
漫画を読んでみたり、小説の中の文字のうわべだけを嘗めてみたりもするが、どうにも身が入らなくてすぐに諦めてしまう。
いつもの違うのは、音楽だ。
どうせ自分一人なのだからと、小林クラシックと題して青春の日々に聞いていたCDやら、せこせこと作っていたプレイリストをかけたりして愉しんでいる。
ケツメイシを久々に聴いた。
ケツノポリス2はほとんどの曲を完璧に覚えていた。
店で口ずさみながら、我ながら記憶力に感心していたら
「いま、教科書を覚えても意味がないって思っているかもしれないけど、この頃に覚えたことってのはね、大人になっても忘れないの。その覚えたことが教養としてあなたたちの価値をあげるのよ」
と言っていた国語の先生のことを思い出した。
その時に何を暗記したのかは忘れていた。
CDを買い始めたのは中学2年生くらいからで、最初のはGAKU-MCのアルバムだった。
少ないお小遣いから1ヶ月に1枚ほどずつ買っていった。
それ以外にも漫画やら模型雑誌やらも買うので、お小遣いをもらった数日後には無一文になっていた。それでも生きていけるのだから親の庇護はありがたい。
僕の部屋にはテレビがなく、就職して家を出るまでの間、部屋ですることといえばガンプラを作るか本を読むかオナニーに励むか、高校生を過ぎた辺りからは酒を飲むかしかなかった。
そのいずれに於いても常に音楽はなっていて、それはラジオだったりCDだったりした。
いまになって10年以上ぶりにかけるCDもあって、記憶の奥底のゴミ箱にしまって蓋を閉めていたものが甦ってくる。
自分でも意外だったのが、その時々に好きだった女の子とのことを思い出したことだ。
同時に自分が恋を多くしていた(実ったとは言っていない)ことにも気づいた。
GOING UNDER GROUNDを聴けば、まだ童貞だった時に女の子に誘われて映画を観に行ったことを思い出した。
当然ながらデートとは到底言えないものになって、それからの進展はなかった。
ちくしょう、あの娘は小さくて可愛くておっぱいも大きかったのに。
mihimaru GTを聴けば、初恋かつ失恋かつ泥酔して大失敗した記憶が心をチクチク刺してきた。
一生鳴ることがない着うたを設定したもんだ。
マボロシを聴けば、当時好きだったひとに貸してもらった漫画を思い出す。松本大洋を貸してもらって、読んでは感想を送ったりしたもんだ。
この恋も泥酔した俺のせいで終わった。
コルテモニカを聴けば、前の彼女の着信音を思い出す。
前の彼女はPerfumeやらをテレビで見たら、俺のことを思い出すのだろうか。たぶん思い出さないのだろう。
枚挙に暇がないくらい恋をしていたらしい。
そしてほとんどが失恋だったらしい。
RSRが中止になった。
もとより今年は行くがなかった。
去年、色々と一人で廻っていろんなライブを楽しんだ。
ライブは楽しい。
圧倒的なボリュームと没入感、非日常が自分の身体の周囲に張り付いて離れない。
ただ、去年は同時にすごく寂しかった。
この経験を共有できる人がいなかった。
もっと具体的に言うと、妻と共有できなかった。
自分はこれほど楽しんでいるのに、妻がいない、妻と共有できない、それだけで楽しむ意味を失っていることに気づいて、途中からは帰りたい気持ちが生まれた。
妻はライジングサンに興味がない。
連れてきても恐らく楽しめない。だったら俺がライジングサンに行くのをやめて、妻と過ごせばよいのではないか。
あぁ、俺は妻のことが大好きなのだなぁと痛感した。
音楽を聴くようになってから、(いまのところ)成就している恋は妻だけだった。でも妻は音楽には、せいぜいジャニーズとハンバーガーボーイズくらいにしか興味がなかった。
今年のお盆は妻と過ごしてみようと思う。
たぶんそれが一番の幸せなのだ。
昔の曲を聴いて、なにも恋だけではなく色んな人のことを思い出した。
他人の音楽の記憶の中に俺はいるのだろうか。
自分の人生とは関係のないところで自分のことを思い出してくれる人がいたら、それもまた幸せだなぁと思う。
終わり。
◆◇————————————————————◇◆ ペダルバル 電話番号:090-1642-6920 〒003-0024 北海道札幌市白石区本郷通8丁目南2-8 2階 営業時間 / 19:00~26:00 定休日 / 日曜・月曜 ◆◇————————————————————◇◆
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23/05/20
23/04/15
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緊急事態宣言が石狩管内だけ延長されてすこし経った。
最近は何もすることがなくても店にいることが多い。
何もすることがない、といってもずっとサボっていた仕込みや掃除をしたりする。
全力でやってしまうと明日にすることがなくなるので、1日1作業くらいしかしない。
自然、暇になるので、ぼんやりとカウンターの中の椅子に座っていることが多い。
漫画を読んでみたり、小説の中の文字のうわべだけを嘗めてみたりもするが、どうにも身が入らなくてすぐに諦めてしまう。
いつもの違うのは、音楽だ。
どうせ自分一人なのだからと、小林クラシックと題して青春の日々に聞いていたCDやら、せこせこと作っていたプレイリストをかけたりして愉しんでいる。
ケツメイシを久々に聴いた。
ケツノポリス2はほとんどの曲を完璧に覚えていた。
店で口ずさみながら、我ながら記憶力に感心していたら
「いま、教科書を覚えても意味がないって思っているかもしれないけど、この頃に覚えたことってのはね、大人になっても忘れないの。その覚えたことが教養としてあなたたちの価値をあげるのよ」
と言っていた国語の先生のことを思い出した。
その時に何を暗記したのかは忘れていた。
CDを買い始めたのは中学2年生くらいからで、最初のはGAKU-MCのアルバムだった。
少ないお小遣いから1ヶ月に1枚ほどずつ買っていった。
それ以外にも漫画やら模型雑誌やらも買うので、お小遣いをもらった数日後には無一文になっていた。それでも生きていけるのだから親の庇護はありがたい。
僕の部屋にはテレビがなく、就職して家を出るまでの間、部屋ですることといえばガンプラを作るか本を読むかオナニーに励むか、高校生を過ぎた辺りからは酒を飲むかしかなかった。
そのいずれに於いても常に音楽はなっていて、それはラジオだったりCDだったりした。
いまになって10年以上ぶりにかけるCDもあって、記憶の奥底のゴミ箱にしまって蓋を閉めていたものが甦ってくる。
自分でも意外だったのが、その時々に好きだった女の子とのことを思い出したことだ。
同時に自分が恋を多くしていた(実ったとは言っていない)ことにも気づいた。
GOING UNDER GROUNDを聴けば、まだ童貞だった時に女の子に誘われて映画を観に行ったことを思い出した。
当然ながらデートとは到底言えないものになって、それからの進展はなかった。
ちくしょう、あの娘は小さくて可愛くておっぱいも大きかったのに。
mihimaru GTを聴けば、初恋かつ失恋かつ泥酔して大失敗した記憶が心をチクチク刺してきた。
一生鳴ることがない着うたを設定したもんだ。
マボロシを聴けば、当時好きだったひとに貸してもらった漫画を思い出す。松本大洋を貸してもらって、読んでは感想を送ったりしたもんだ。
この恋も泥酔した俺のせいで終わった。
コルテモニカを聴けば、前の彼女の着信音を思い出す。
前の彼女はPerfumeやらをテレビで見たら、俺のことを思い出すのだろうか。たぶん思い出さないのだろう。
枚挙に暇がないくらい恋をしていたらしい。
そしてほとんどが失恋だったらしい。
RSRが中止になった。
もとより今年は行くがなかった。
去年、色々と一人で廻っていろんなライブを楽しんだ。
ライブは楽しい。
圧倒的なボリュームと没入感、非日常が自分の身体の周囲に張り付いて離れない。
ただ、去年は同時にすごく寂しかった。
この経験を共有できる人がいなかった。
もっと具体的に言うと、妻と共有できなかった。
自分はこれほど楽しんでいるのに、妻がいない、妻と共有できない、それだけで楽しむ意味を失っていることに気づいて、途中からは帰りたい気持ちが生まれた。
妻はライジングサンに興味がない。
連れてきても恐らく楽しめない。だったら俺がライジングサンに行くのをやめて、妻と過ごせばよいのではないか。
あぁ、俺は妻のことが大好きなのだなぁと痛感した。
音楽を聴くようになってから、(いまのところ)成就している恋は妻だけだった。でも妻は音楽には、せいぜいジャニーズとハンバーガーボーイズくらいにしか興味がなかった。
今年のお盆は妻と過ごしてみようと思う。
たぶんそれが一番の幸せなのだ。
昔の曲を聴いて、なにも恋だけではなく色んな人のことを思い出した。
他人の音楽の記憶の中に俺はいるのだろうか。
自分の人生とは関係のないところで自分のことを思い出してくれる人がいたら、それもまた幸せだなぁと思う。
終わり。
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